人気ブログランキング | 話題のタグを見る
> 壮絶 10人組手
やっとたどり着きました。
2階の道場へ上がると、F先輩が昇級組手のスタンバイ中でした。
『オス』
『おう、来たか』
『あれ?ケンシロウ先輩は?』
『アイツなぁ、風邪ひいて熱ある言うて欠席しやがった』
『タツヤとカズヤは?』
『2人とも来てないよ』

むむ、完全にアウエイな空気…

ビビッているとF先輩からタイマーを渡され、
『ラスト30秒とな、ラスト15秒って教えてくれ』
そう言うと颯爽と道場のマットに向かいます。
1級受審の5人連続組手が始まりました。
主審に中山師範、副審4名がいて一試合ごとにジャッジをします。審査組手が全日本の審判講習を兼ねていたのです。正道会館らしい、合理的なやり方だなぁ、と関心しました。

で、肝心のタイムですが、雰囲気にビビッてしまって、声を発することが出来ませんでした。
無事5人組手を終えたF先輩、
『お前の声な…全然聞こえんぞ!』

と怒られてしまいました。だって声出してないんだモン。

続いて昇段10人組手です。松本選手、柳沢選手を含む、先日の新人戦上位入賞者の顔も見えます。対戦相手は1人目と10人目が茶帯(受審者同士)で、2~9人目は全日本クラスの黒帯です。ムチャ過酷です。二段の人も普通に入ってます。黒帯にとっても、万一不覚を取るようなことが有れば石井館長から厳しい言葉が飛びますから、容赦なく倒しに来ます。
この日、受審者の一人がボディで技ありを取られました。

『○○くん、もっとボディ鍛えんとアカンなぁ。次、倒れたらそこでストップや。』
石井館長
が呟きます。

回復するのに充分な時間も与えられないまま、組手が続行されます。もう一発ボディにもらってダウン。

『はい、ストップ。そこまで』

厳しい… 芦原会館の審査とは異なる、実戦空手の姿がそこに在りました。

最後は黒帯、受審者一同で集合記念写真の撮影です。
F先輩が、
『中山師範見とってみぃ』と笑っています。

『ハイ チーズ』
カメラマンの掛け声と同時に中山師範、隣の人の影に隠れました。
(その時の写真がカラテマガジンに掲載されてました)
『子供かよっ!』
思わず心の中でつっこんでしまいました。

(続く)
by osaka-kenyukai | 2001-12-31 22:37 | 連載:拳友会遊戯